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(133)テレビ

晩ごはんを食べながら2人でテレビを見ていたときのこと、貧乏人のおぼっちゃんが、「なんな、この動物は?」と聞く。

「カピバラ」私。

「へぇ~。カビパラかぁ。オレ、見たことあるか?」だって。

知らんわょォ、おぼっちゃんがカピバラを見たことがあるかないかや。それぐらい自分で考えて欲しいワ。それに、間違ってる、カビではないのに~

「お~ こいつら泳いだぞぉ~」と、おぼっちゃん。

「今、テレビで言うたで。水かきがついてるから、泳げるって」私。

おぼっちゃんとテレビを見るのは、嫌いである。テレビで説明している時に、おぼっちゃんは自分の知っている話題を何故か話し始めるのだ。テレビの音声とおぼっちゃんの話が、かぶって結局私はテレビを見ることができないのだ。で、自分が見たいテレビの時は、「ちょっと静かにして、ここエエとこやけん」と平気で言うのだ。

ジコチュウにも、ほどがある。

そして このジコチュウ、2人の子どもにバッチリ遺伝していることが私の最大の悩みである。

できるものなら左横のカピバラさんに、相談したい・・・わ

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(132)毎日が、

貧乏人のおぼっちゃんは、店のことでも、家の中のことでも、私が、こうしてほしいと言っていることを絶対にしてくれないし、したとしても習慣として続かない。一度きり、使い捨てである。

例えば店のことで、「フキンは2枚出すようにしてよ」が、できない。今日も1枚しか出ていなかったので、「もう1枚は?」と聞くと、「今から出すところだったのに」と言う。子どもに勉強しいよと言って、今からしようと思とうのにぃと言うのとまるで同じだ。

何事においても他人の言うことなど気にしていないから、何度も同じことを繰り返す。本人は、毎日が新鮮でいいだろうけど、こっちの気持ちは、どびていく・・・(わかるかな? 花瓶の中の花の茎がズルズルと腐っていく感じ)

ホントいい加減、人の言うことに耳を傾けてほしいものだ。

夏休み寝てばかりの子どもを見て「寝てばかりで16の夏が過ぎていく~」と、おぼっちゃんが言う。

でも、おぼっちゃんも昼間に よく寝ている。(ここは、イタリアか?と思うほど。)

だから私は言ってやる。
「寝てばかりで56の夏が過ぎていく~」と。

シェスタから目覚めたおぼっちゃんが、言った。「ほうじゃ、オレも56の夏は初めてなんやなあ。大事にしよう」

やっぱり、
おぼっちゃんにとっては毎日が、新鮮でまっ白のようである・・・・

こりゃあ どうしようもない・・・

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(131)ざしき・・

犬のクロは、寝場所を徐々に洗面所があるドアから廊下側に移動してきている。

貧乏人のおぼっちゃんは、「座敷犬を完璧にクロは目指しているなあ」と言う。
庭の方が風も吹いて涼しいだろうに、洗面所を大きな犬小屋とでも思っているのだろうか?  

夜、真っ暗な洗面所におぼっちゃんが入ったときに、固いものを踏んだらしい。おぼっちゃんは、てっきりクロの足を踏んだと思い、「クロ、ごめんよ、ごめんよ」と謝りながら灯りをつけたら・・・・

おやつの骨だったっHoneて。

おやつまで持ち込むなんて、クロも やるなあ。
そのうち オレの部屋に寝てるかも・・・
                         (おぼっちゃん談)

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(130)悪口

私が犬のクロの散歩から帰ってきたら、子どもが「聞いて聞いて、おっさんが悪口言よったじょ。」と、

え~、またぁと思ったが、聞くことに。貧乏人のおぼっちゃんは、私が居ないときに時々 子どもにボソボソ私の悪口を言っているらしい。正面きって私に言えばいいと思うのだが、「そんなこと恐ろしくてできない」と以前 言っていた。せこい男だ。

子どもが話し始めようとすると、おぼっちゃんが「やめてくれ~。言うてない、言うてない」と子どもの後ろのほうで叫んでいた。

で、何?と聞くと、今回はテレビに映っていた一般の女の人をみて、老けとうなあ、私みたいと言ったと言う。

ハァ~~~。

よぉ、まぁ~である。
だいたいアンタの後始末ばかりしているから、こうなったのに~ねぇ~
アンタがもっとしっかりしてたら、と私こそ言いたいワ

・・・後日・・・

おぼっちゃんが私を見て、「最近、怖い顔しとんなぁ」と言った。

私は、「考えることがいっぱいあるんじゃ。ほれに、老けとうけんだろう」と返した。

おぼっちゃんは、「誰が、ほんなこと言うたんだろなぁ」と、白々しく おっしゃった。

私は、当然無視。

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(129)まちがい

自称うつ病気味の知り合いがいる。久しぶりにそのOさんが、店に寄ってくれた。うつ状態を理由に会社を休んでいるので、ウイークデイは外出を控えているようだ。なので、うちに寄ってくれるときは、土曜日が多い。でも、最近は休みすぎのせいか土曜日と金曜日を間違えて、来てくれるときがある。

私は、てっきりOさんが間違ってきたと思い、
「今日は金曜日なのに、出て来たん? 明日が土曜日じょ。いけるん?」と言った。

ら、

「えっ? 今日は金曜日ちがうでぇ木曜日でぇ」と返された。

よく考えてみたら、ホント今日は木曜日だった。「あ~、ごめん。失礼しました。ボケとんは、私のほうだった。」と謝った。

「奥さんも間違うんやなあ・・安心したわ、しっかりしいよ」とOさんに励まされた。

それを見ていた貧乏人のおぼっちゃんが、Oさんが帰った後で、
「スゴイ笑いよったなぁ。いつもしっかりして滅多に失敗せん人が、言い間違えたけん喜んでくれたなあ。いつも失敗しようオレが間違ったんでは、ああは喜んでくれんわ。当たり前と思われるけんな。間違えん人が間違ったら、人に希望を与えるんやなあ・・・人の為になったなあ」と言い、笑った。

私の間違いを1番喜んだのは、きっと おぼっちゃんだろう。
でも私は、おぼっちゃんが自分で自分のコトを、けなしていると思っていないことが不思議だ・・・・

本当に自己肯定力はピカイチだと思う。

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(128)ペンキ

貧乏人のおぼっちゃんが、店の前で古くなった棚にペンキを塗っていた。(自分の作品に気持ちよく色を塗っていたので私が、晩御飯作るんと店の棚に色塗るんとどっちがいい?と聞いたから)

色を塗り終わって、おぼっちゃんが言った。
「一生懸命ペンキ塗ってたら、小学校の帰りのちょっとボーっとした男の子に ココ塗れてないじょって指さされたわ。むかぁ~ときたわ、あの子に指摘されるんやけん オレも終わりじゃ、どうしようもないなあ」

まぁ、わかってれば いいんじゃない。

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(127)なせばなる

インドネシアの友人が、大学院歯学部博士課程で勉強していた時のこと。
彼は、インドネシアでは歯科医でありながら、魚の養殖、稲作、貿易業等いろいろなことを行っている。
そのうえ言葉もインドネシアの母国語と英語、日本語など5ヶ国語ぐらい流暢に話せるし、人柄もとても良い。

彼が家に遊びに来た時に貧乏人のおぼっちゃんが、「いろんなことをして、いろんな言葉を話してスゴイなぁ。よく、それだけのことが できるなあ」と感心していたら、

彼が、「為せば成る、為さねば成らぬ何事も・・です。」とおぼっちゃんに言った。

おぼっちゃんは、「ハァ・・・、なせばなりますか?」と小さな声。

続けて彼は、「為せば成る、為さねば成らぬ何事も、成らぬは人の為さぬなりけり(なせばなるなさねばならぬなにごとも、ならぬはひとのなさぬなりけり) やる気さえあれば、なにごとも実現します。とても良い日本の格言です、是非やってみてください。」

おぼっちゃんは、「ハァ・・・なせばなるの後があるとは知らなかった。日本の言葉をインドネシアの人に教えてもらって励まされた。不思議な気がするなぁ・・・。」だって。

ことわざや四字熟語を聞いても、「ほれが どしたん。」と何の興味もないおぼっちゃん、せっかく為せば成るを教えてもらっても、きっと暖簾に腕押し、糠に釘 、馬の耳に念仏、だろうね。 

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(126)不景気

不景気である。うちに限らず世の中みんなが不景気だとわかっているが、個人商店は会社等に比べ本当にしんだいと思う。

家の前をひっきりなしに走るトラックを見て、貧乏人のおぼっちゃんにトラックの免許を取りに行ったら?と言ってみた。嫌だと即答だった。そして「トラックの運転手はホンマにえらいんやって。荷物を運んでも、帰りにもまた荷物を載せないと勿体無いから荷物ができるまで待たなアカンらしい。2~3日トラックで寝て待つのは当たり前やって。で、車に乗ったら酒が飲めんからオレはできん。」とおしゃった。

じゃあ、普通2種免許を取ってタクシーの運転手は? これから年配の人が増えるから介護タクシーは、今以上に必要とされると思うから、どう? と聞くと、これも嫌とおっしゃる。「介護タクシーの免許を取るより、オレが介護される方が早いと思うわ」

最悪!!
おぼっちゃんは、あくまでも自分の酒の肴を買う仕事だけで一生 終わるつもりらしい・・・

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(125)ポルトガル

最近ヨーロッパ特にポルトガルが、日本人が訪れる観光地として人気が出ているらしい。理由は経済成長が止まりゆっくり滅びていく風情が日本人の哀愁を誘うから・・・とのこと。

そこで、貧乏人のおぼっちゃんの言ったこと、
「うちの店も ゆっくり滅びていったらいいんやなぁ。あくせく売上を伸ばそうとせんと。の~んびり いこう」

私、
「え~~~。これ以上 のんびりして、どうするん?
大体ヨーロッパも、よそも何度も繁栄したんじょ。繁栄したあとが今で、これから、ゆっくり行くってコトでぇ。 うちは、1っかいも繁栄してないんじょ。底はいよるのに、これからもゆっくり滅びるんを目標とするんやって、おっかしいわ。ゆっくりせんでも、ほろびるわ、ほのうちに・・・・」

おぼっちゃん、
「ほうかぁ・・・・・。ということは、オレの店は環境問題のことを考えて、利益を追い求めず・・・すでに最先端の考えかぁ・・・これで、ええんやなぁ」

違う、絶対違うと私は思う。

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(124)励まし

知り合いが、お家を新築することになった。さんというその人は、育ちのよい とってもかわいらしい奥様で、ぽわ~~んとした感じで生きている。

さんは、友人に大阪のPL学園の近くで行われる花火見物に誘われたらしい。お連れ合いに花火に行きたいと言うと、お連れ合いは「頼むから、そんな日に出かけるのは やめてほしい」と願いは却下されたようだ。当たり前だ! その日は、さんの古い家を壊す日になっているのだ。「その日ぐらいは、家に居て欲しい」と再度お連れ合いに言われたみたいである。

このことを貧乏人のおぼっちゃんに話すと、
「やるなぁ、奥さん。すごい!!」と、奥さんを褒め称えた。が、そのあと「けど、引越しとか家壊す日に、いないのはマズイなぁ」と付け加えた。

「えっ?」私はすぐに「人様のこと言えんと思うけど・・・ おたくは、引越しの当日、どこ行ってた?」とおぼっちゃんに質問した。

おぼっちゃんは、「へへへ、サッカーの試合」と笑いながら言った。

思い出しても腹が立つ。私は、引越しの当日トンズラした 主のいない荷物を延々と運んだのだ。引越しの役に立たない年寄りと子どもの世話をしながら・・・

おぼっちゃんは、言う。
「だから、奥さんに引越しの当日に居なかったこんな人もおるよ。ダンナさんに注意されたことを気に病むなと励ましてあげれるんは、オレだけじゃあ」と。

もう、訳わからん・・・

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(123)May I ~

"May I take your picture with me? "

これは、 貧乏人のおぼっちゃんが言える唯一の英文のフレーズだ。

今を遡ること40年前、おぼっちゃんが高校生だった頃。
修学旅行で日光 華厳の滝に行った時、カナダから来たキレイな若い女の子が居たそうだ。
自分の住んでいる田舎では外国人に出会うことは珍しく、まして同年齢ぐらいの女の子など見たこともないおぼっちゃん。
すぐに、ESS部(学校のサークル・部活動の英会話部、英語研究会など (English Study Society, English Speaking Society) の略称。) に所属していた同級生に「一緒に写真を撮って欲しいって英語で何て言うか教えろ」と言って、聞き出したのが この"May I take your picture with me? "なのだ。

16、7歳の男の子が、外国人の女の子と写真を撮りたいと思えば、今までどんなに勉強しても覚えられない英文を一瞬で覚えることができるようだ。邪まな気持ちって本当にすごいんだなあって思う。

最近は、今言ったことでも忘れるおぼっちゃんなのに、このフレーズだけは、いつでも水が流れるように滑らかに口から出てくる。不思議なものだ。どうせなら、もっと役に立つ英文を覚えておけばよいのにと私は思う。

しかし、人間長く生きていると たまに予想外のことにも巡り合うようだ。3週間前U.S.Aカリフォルニアの女子高生が、知り合いに連れられて家に来たのだ。
おぼっちゃんは、得意技のHiとO.Kを駆使し、私と子どもは、カタコトの英語で会話を楽しんだ。そして、一緒に写真を撮る事になった。

なんと、出番が・・・・・やってきた。

おぼっちゃんのワンフレーズが40年の時を越え、再度まさかの女子高生に使うことになるとは・・・・

おぼっっちゃんは、笑顔で彼女に、
"May I take your picture with me? " と話しかけた。scissors

その後 おぼっちゃんは、「まだ錆びてないなぁ、 オレの頭。」と、私には到底理解できない自慢を口にしていた。

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