(72)席とり
猫のロマ(本名 ロマーリオ)は、猫なので自分の気分のままに行動している。なので、ストーブのある居間から出たり入ったりするのが常である。その度にロマは背伸びをして取っ手を右足で触りニャ~~~と鳴いて「開けて~」と私たちを使う。
用事を済ませてやっとストーブの前に座った時に、戸をはさんで廊下側から「ニャ~~~」と言われると、エ~~と思う。ロマは可愛いけれど、我が身のほうが もっとかわいい。ストーブの前から動けるはずもない。「好き勝手に行動してるんだから しばらく待っとり」と私は言う。
すると最近猫好きになった貧乏人のおぼっちゃんが、酒を飲んでいてもスッと立ち上がりロマの為に戸を開ける。「いつでも何でも言ってよ」とロマに言いながら。
私はすかさず、ロマに「嘘じょ、信用したら あかんじょ」って付け加える。ロマはそんなこと知ってるとばかり、また ニャ~と鳴く。そして居間に入ったロマは誰が居ようとストーブに1番近い位置を確保しにかかる。
毎朝 子どもが学校に出掛けた後に、おぼっちゃんはストーブの前にやっと座れる。なのに、新聞をとるため座布団を離れた一瞬にロマに場所をとられる。
おぼっちゃんは、ロマに「恩知らずなヤツだ」と言った。
やっぱりね、「いつでも何でも言ってよ」は嘘だったね、ロマ。![]()
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