(39)ほって
貧乏人のおぼっちゃんが、夕食を食べ終わる頃に「冷蔵庫にビニール袋に包まれた脂みたいなもんがあるけど、あれ何、入れとんえ?」と私が入れてあるように聞いた。
あれは、確かおぼっちゃんがお昼に【あいなばり】という魚をさばいていた時の腹身の部分である。酒の肴にコレを焼いて食べると最高と言って自分でビニール袋に入れていた。そのことを 忘れているようだ。
私が、「あんたのだろ。夜、焼いて食べるっていうた【あいなばり】だろ」と呆れて返事をすると、
「あぁ~~~。そうじゃ。オレのんじゃ。ハァ 忘れとった。あ~情けない。もう、晩御飯 終わったのになぁ・・・惜しいことした。何がはいっとんか、わからんかった。これっぽっちも思いださんかったわ~~」とおぼっちゃん。
「自分で入れたもんが、わからんようでは もうあかんな」と私は付け加えてあげた。
しばらくして、おぼっちゃんがパソコンの前に座っている私に「物忘れがひどうなって、ボケ出したら ほってくれて(捨てて)いいけんな」とコーヒー片手に言いに来た。
私が、すかさず「じゃあ、明日 捨ててくるわ」と言うと、「いや、まだ もうちょっとは、イケると思うわ。まだ ほおらんといて」と言う。
「もう 充分 あかんと思うよ」と私。
そして子どもに、おぼっちゃんが こんなこと言よんやけど、と言ってみると「今すぐ 捨ててきぃ」とのこと。
おぼっちゃん以外の考えは、みんな同じであると確信した。
今度 猫に聞いてみよう・・・・
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